痩せたいからといって、極端な食事制限や激しい運動を続けていると、体も心も疲れ果ててしまうことがあります。
体の不具合は、このままでは生命に危険があるというサインです。特に怖いのは精神的な食欲不振で、これが出たら気持ちに負担がかかっている可能性が高いです。
ここでは、食欲不振によってどのような危険が生じるかを考えていきます。
栄養不足に陥る危険
痩せたいから炭水化物や脂質を一切摂らないというのは、間違ったダイエット方法です。
特に脂質はホルモンや細胞の原料になるので、0にしたら危険です。
炭水化物は多少不足しても脂質からケトン体という形でブドウ糖の代用品が取り出されるのでしばらくは大丈夫ですが、極端に制限すると我慢できなくて鬱状態になってしまうこともあるので気をつけましょう。
気持ちからくる食欲不振
内臓の調子には異常がなくても、気持ちの上で食べられなくなる食欲不振もあります。
痩せたいという気持ちが高じるあまり、食べたら太るという強迫観念に襲われて食べられなくなってしまう病気もあります。摂食障害と言って、特に女性に多い病気です。
摂食障害になってしまうと、いくら痩せても足りないと感じて、ガリガリになってもダイエットを続けます。周りが心配しても本人はまだ太っていると言い張って、簡単に気持ちを切り替えることはありません。
摂食障害が重症化してしまうと、何も食べられなくなり激しい飢餓状態になって、体が異常を訴え始めます。
貧血、めまい、立ちくらみのほか、女性だと生理が止まって不妊症の原因になることもあります。特に思春期に摂食障害になると不妊症になりやすいと言われています。
生理が止まるとホルモンのバランスが崩れて、肌トラブルが起きやすくなったり、さらに骨粗鬆症のリスクが高くなります。
何年も摂食障害を患っていた患者さんだと、20代でも骨密度が低下して骨折しやすくなっていることもあります。
痩せたい気持ちを緩める
ダイエットはその時一瞬だけ痩せれば良いというものではありません。健康や美容のためにダイエットをするのであれば、一生ダイエットと二人三脚で進んで行く必要があります。
そのためには、緩く続けられる気長なダイエット方法を実行することが大切です。
体も心も壊してまで痩せたとしても、何も意味がありません。なぜダイエットを始めたのか、到達地点はどこなのか、などを考えて、間違ったやり方ならば改善していくようにしましょう。
自力で立ち直れない場合には、心療内科など専門の診療科を受診することも視野に入れておきましょう。